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ちょっと不思議な現象

友人に「ヒデ」と言う奴がいる。 彼とは幼馴染で、今も時々合っている。

20年ほど前に、彼の家に遊びに行った時の話。

「俺ん家の仏壇のロウソクが変なんだ!」と言ってきた。

聞けば、母親が離れた部屋を掃除していたら、仏壇がやけに明るく見えたそうだ。

そこで、ロウソクを見たら、2本のうち1本が半分以上減っていたそうだ。

『何んだ、そんな事か?』と言い返した。「ところが、これからが凄いんだぜ」とヒデは引かない。

またあくる日にも、仏壇がボヤーっと明るくなったので見に行ったら、1本だけ減りが早いだけでなく

ロウが垂れ方が異常だったと言う。

普通ロウソクに沿ってロウが垂れているはずが、「ロウソクから離れて垂れていた」と言った。

『そんなバカな!そんな事信じられないぜ』と当たり前に言い返したら

「まだまだ序の口なんだぜ、見るか?」と言われ『見たい!?あるのか?』ドキドキして聞いてみた。

「下の仏壇間に行こう」

ヒデが取り出したのは、立派な木箱で、紐で結ばれていた。

ゆっくりと、そして慎重に紐を緩め、木の蓋を開けて私に見せてくれた。

たしかに、垂れているロウがロウソクを離れて伸びている。

しかも、しかもだ。 その先が竜の頭になっている。誰が見てもあれは『竜』である。

更に「目」が左右にプチっとある。0.2㎜ほどの小さくて綺麗な黒い目だ。

更に&しかも、刀の鞘を銜えているのだ。

10cmほどの長さがあった。とても細い為、時間の経過と重力により少し撓っているが。

愕然として、言葉が出なかった。


だが、「垂れたロウが変な形になった」とか「竜の形に見える」と言う事例はたくさんあるそうだ。

なくなった方が、生前に多くの「徳を積む」を行なった方が、メッセージ?として

『私は、天国に居ますよ』と言っているのかもしれない。


まさに『竜は天に昇る』であろうか。    ----ちなみに、ヒデの祖父は住職だったそうだ----