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マジ!?

以前の更新で『サービス業はお客を選べない!』とか何とか書いていたと思うが、
今回の紹介する事例はまさにそのものであります。

一年位前の事である。

依頼された件で、接客した第一印象は『神経質そうなジーさんだなァ』だった。
話をしてかみ合わないと言うか、苦手なタイプ って感じたんだったと思う。

ユーザーの希望で、現地から25キロ離れた自宅付近まで送る事になった。

助手席にGさんを乗せて出発して10分後「運転手さん!タバコを一本恵んでくれないか?」

っと言われて、タバコは吸いません とか 車内は禁煙です と言えば良かったのだが、

『途中コンビニによりますから…。』と答えていた。

程なくしてコンビニに立ち寄りGさんは「少し待っててくれや!」っと言って助手席から出て行った。

5分位してペットボトルを手にして戻って来た。『俺に買ってきてくれたのかな?』っと思ったが、中身が少し減っているようだ。

Gさんは席に着くとそのドリンクをグビグビ飲みはじめて「ゲ~~ッ」っとゲフリをくれた。

ここは我慢だ!と 再度出発して5分後には、買ってきたタバコを立て続けに2本灰にした。


普通は他人の車に同乗している場合、吸いたくても我慢する か 吸っても良いですか?と聞いてくるはずである。

あきれかえったがこれも仕事と割り切って車を進めていった。


その後会話も無いまま数分後にGさんが挙動不審な行動をすることになる。


突然「グ~」と言ったかと思うと、顔を真っ赤にして助手席で体を伸ばし始めた。


そして足を使って靴を脱ぎ始めた。『どうしたの?具合悪いの?』と声をかけたが、今度は靴下を脱ぎ出した。

これはヤバイ!と思って、Gさんを気使いながら車を止められる場所を探した。

少し目を離した瞬間、あろう事か自分の首にシートベルトを巻きつけて首絞めをしていた。

『バカヤロウ!』『やめろ~!』って叫んだと思う。

スペースを見つけて車を突っ込んだ。

運転席のドアを開けて助手席へ廻りこみGさんに掴みかかっていた。

おかげでGさんの首には私の爪あとがクッキリ残った。

近くを通りかかった人には、取っ組み合っている様に見えただろう。


その時Gさんの発した罵声を文章にする事は私にはできない。


少しづつ落ち着きを取り戻したGさんに、私は「死」について熱く語っていた。

頭に血が上っていた事もあり、私もひどい言葉を口走っていたと思う。

ブチ切れていた。とにかく許せなかった。


後日、あのGさんがお寺の住職だったと知らされた。

仏道を極めるお坊さんに「死」について説教していたのである。

今にして思えば笑話になるが、その時はかなり緊迫していたのであろう。


もう二度とあんな思いはしたくないが『悲しいかなサービス業はお客を選べない』のである。